2024年に取り組んだプロジェクト “Mobility for ALL2024” 約7カ月の活動と成果についてのまとめを記します。
Mobility for ALL とは
一般財団法人トヨタ・モビリティ基金が運営する
Make a Move PROJECT
「もっといいモビリティ社会」をつくるアイデアコンテストのひとつです。
移動の可能性を、すべての人に。
誰もが自由に移動し、自分らしく生きられる世界を創る。
誰もが自由に行きたいところに行き、
自分らしく人生を楽しむことができるように。
トヨタは移動の可能性を広げる新たな取り組みを応援します。
ーHPより引用ー
コボリンの取り組み
姿勢を自由に変えることで長時間座り続けることができ、何かに熱中できる超電動車椅子の開発を目指しました。
最終的な実証実験の場所がサーキットであったため“賑わい”や“観戦”というキーワードを想定しました。結果、狭い場所や人でにぎわう場所でも容易に移動ができ、自由に姿勢を変える事が出来る超電動車椅子という方向性が見えてきました。
これまでひとりひとりのためにオーダーメイドをしていたハイネル。
今回はターゲット層を想定して作るプロダクトであり、量産を視野に入れたモデルの誕生です。
具体的には、“手動車いすユーザー”を想定しました。
自分で手動車いすを漕ぐことが出来、ある程度体幹を保てる身体状況の方たちに、ハイネルの機能の必要性を感じていただけるのか。
実証実験でどんな結果になるのかは全く想像がつかない状況でした。
そして、見えないターゲットに向けてのものづくりが、こんなに戸惑うものなのかという事を体感しました。
具体的な活動
5月のキックオフミーティングを皮切りに、意匠デザインから着手しました。
どんなことをしたかな、と振り返ってまとめてみたら中々なスケジュールでした。
2024年が目まぐるしかった理由がわかりました。
着工から、実証実験までのスケジュール
↓ ↓ ↓

今回は
意匠デザインに有限会社znug design 根津孝太氏
設計デザインにライト・モビリティ設計 水嶋徹氏
に入っていただきました。
今までは機能のことばかりを考えて製作していたハイネルでしたが、
意匠デザインと、量産デザインの要素も盛り込んでいただきました。
外部の方の発想は新鮮なものが多く、コボリンの引き出しが増え、レベルがひとつ上がりました。
出来上がった車いす
富士スピードウェイでの実証実験(11/16、11/17)
ENEOSスーパー耐久レースシリーズ2024のファイナルにあわせて、富士スピードウェイで実証実験が開催されました。
サーキットではレースが開催され、グルメフェス、ガレージセール、プチロックフェスなんかも開催されて、実証実験にはぴったりの環境でした。
実証実験の成果
実証実験の二日間で、8名の当事者の方に検証していただきました。
(実証実験ではない飛び入りの方たちにも体験していただきました。)
普段は乗っていただく機会がほとんどない、手動車いすユーザーさんに乗っていただくことが出来たことが、まず大きな成果でした。
お話を聞く中で、参加していただいた全ての方が姿勢に課題を抱えていることが分かりました。
それは、“動かないこと”により出現する問題であり、ハイネルが解決を得意としている問題でした。
さらには、“リハビリをしなければ”と思っていても出来ていないというお話もあり、ハイネルが家にあれば毎日リハビリが出来るという新たな用途も教えていただきました。
実証実験でどんな結果が得られるのか不安を抱えて挑みましたが、ハイネルは手動車いす(簡易電動車椅子)ユーザーさんにも必要としていただけるという確証を得られました。
次のステップとしては、このモデルのブラッシュアップを進めて、実際にお客様にお届けできる様にすることです。
手動車いすユーザーの方、ハイネルに興味がありましたら是非お声かけ下さい。