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2025.06.06

ひっぱるスイッチで姿勢を変えられる屋内用車いす

お客様の要望自分で姿勢を変えたい
障害名脳性麻痺
車種Hineru Chair ハイネルチェア
機能電動姿勢変換 6機能搭載
付属品ひっぱるスイッチ、自動運転装置

ハイネル導入の決め手はご本人の笑顔

自分で姿勢を変えるという選択肢にここまで出会わなかったKさん。周りの方の口からハイネルの存在を知り、導入まで至りました。

Kさんのお母さんは、子育ての指標として“ご本人の笑顔”をとても大切にされてきました。何か新しい事を試してみる時も、本人が笑顔であれば“やっていることは間違っていない。この子にとって良いはずだ。”と確信を持って物事を決めてこられたそうです。

ハイネルについても初めてご本人が乗った際に、とてもいい笑顔を見せてくれました。
はじめましての私たちから見てもいい笑顔でしたが、お母さんから見たその笑顔は特別だったそうです。

ハイネルとの出会い

Kさん親子がハイネルのことを知ったのは、日頃より姿勢の勉強会でお世話になっているPT Iさんの紹介だったそうです。Iさんは、以前に他の方のハイネル導入に携わった経緯があり、「こんな車いすがあるよ。」と、Kさんにお話しされました。その話を聞いて「乗ってみたい」とご本人。お母さんも「良さそう」と思ったそうです。
ちょうどその頃にコボリンが開催していた勉強会に、お母さんだけ参加してくださいました。

「発語がない脳性麻痺の娘で、スイッチもあまり得意ではないけど乗れるかしら…」と、おっしゃっていたのを覚えています。

そして、ご本人より先にハイネルを体験しました。家に帰ってKさんに報告すると「わたしが行きたかった」と言われたそうです。
その後、PTIさんが呼び掛けて下さり、少人数での試乗会が実現しました。
日頃通所されている施設の一室をお借りして、3名の方に乗っていただきました。
ようやく自分も乗ることができたKさんは、はじめは動きにびっくりしていましたが、慣れるととびっきりの笑顔で感情を表してくれました。
そのあと「あれ作りたい。」とお母さんに伝えたそうです。

試乗会の様子
はじめての試乗の様子

日頃のKさんは

お母様とご本人

とても意思がはっきりしています。決断もすぐにします。
気管切開をしています。喉頭分離するかどうかの説明を受けた際も、メリットデメリットを理解した上でその場で自分で“する”と決めました。
普段のお洋服も自分で選んでいます。ふたりで洋服を見に行って「これかわいい!」となったから「欲しい?」と聞くと「いらない。」と。理由を聞くと「同じようなの持ってるから。」と言われたそう。
なんでも欲しがるわけではなくて“これいい”となったら「欲しい」と言います。そういう時は買ってあげようと決めています。

ハイネルとのつきあいかた

ハイネルを作りたいと相談を受けた際に、ご自宅で1週間のお試しをしていただきました。
お母さんは新しい物を導入することに対する抵抗や怖さのようなものは一切無かったとのこと。
“それは、本人の笑顔を見てハイネルはこの子に合っていると確信していたから。小さい頃から育ててくる中で、笑顔があればやっていることは間違っていないと思って育ててきました。”

日々の生活スケジュールはわりと忙しいそう。朝は時間が無く、通所先から帰ってきてお風呂に入って、食事をして…と。ここまで終わったら自由時間だそう。それを本人が理解していて、うまく時間を使っています。
帰宅→お風呂→ハイネルに乗る→食事→姿勢変換
という流れができています。
“最初物珍しいうちだけ乗って、あとは乗らないという事はないと思います。”

右回旋+左側屈の姿勢
ティルト、リクラ、足台エレベーションを使用した姿勢
どの方向に引っ張っても動作するスイッチ
筋緊張で後ろに手が出てしまうのを防ぐガード
自動運転装置※ひっぱるスイッチで3種類の姿勢を再現するために搭載
背もたれにファンシートを搭載

※ハイネルチェアはフルオーダー製品です。フレームから全て工房内で製作するため受注生産を行っております。
※小型バッテリー搭載
※補装具費支給制度 支給対象外です

導入して一か月

連絡をいただいて、修正の為にご自宅に伺いました。
一か月間、生活の中で使用していただいて、沢山の修正課題をいただきました。しっかり使っていただいている証です。内容としてはご本人の姿勢や、介助の際の問題等。何も出てこないことは稀で、納品後の調整は“あるもの”と考えています。調整を重ねて、ご本人や介助者にとってより良いものに仕上げていきたいと思っております。

チームで挑んだ車椅子製作

今回の製作はチームで行いました。
Kさんにハイネルを紹介されたPT I さん、PO(義肢装具士)の資格をお持ちの業界の大先輩Yさん。
本人の動きの特性を見ながら、保持する場所と自分で動ける自由さを残しました。
多数の目が入ることで、新しい観点で製作が出来ました。

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