障害名 | 脳性まひ |
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お客様の要望 | 全部の操作を足で行いたい |
車種 | EMC-250:今仙技研 |
機能 | P-5搭載、足部コントロール |
※ハイネルの前身モデルP-5(ピーファイブ)の製作事例です
導入のきっかけ
体幹が左に側弯しているので、体を真っ直ぐに起こすことが出来ず腰に痛みを抱えていました。
そこで、工房にてP-5を体験していただきました。
“回旋(ねじる動き)”の機能で骨盤の回旋に合わせて背もたれを調整することで、体を無理なく真っ直ぐ起こすことが出来ました。 同時に腰の痛みも解消しました。
「伸びる。」「気持ちいい。」「腰が楽。」という感想をいただきました。
購入にあたっては“操作が難しそう”との懸念がありましたが、今では自分の身体の一部のように細かい動きを再現出来ています。
こだわりの操作部“自分で動かしたい”
パソコンから筆記まで、基本的に何でも器用に足の指でこなしています。
自立生活をしていく上で、様々な動作を自分一人で行いたいという本人の希望がありました。
手を使わず足で全ての操作を賄えるよう、足の可動範囲に操作系をまとめました。
P-5(姿勢変換)+電動車いすのスイッチ=合わせて18個とジョイスティックを足元に配置しています。


ユーザー様からのお手紙


9月のある日、職場からの帰り道。
一人で電動を走らせていると、ゴールデンレトリバーを連れてお散歩をしているご婦人が向かい側から歩いてきました。
犬好きの私はワンちゃんが電動を怖がるかな?と思いながら静かに近づいていくと、ワンちゃんも興味津々で自ら近づいてきて、ハナをクンクン。
足で頭を撫でさせてくれました。
飼い主さんとも少し言葉を交わし、人懐っこいワンちゃんと一瞬でも遊べて、私にはすごく楽しいひとときでした。
手動車いすでヘルパーさんに押してもらっている時は、よほどのことがない限り(はっきり目的がないと)、「ちょっと止まって」とか「ちょっと近づいて」とは、そう思ってもなかなか言えないのが現実です。
解説“今回の事例におけるP-5の必要性”
今回紹介させていただいたお客様は、P-5の5つの動きの中で、特に“リクライニング”と“回旋(ねじる動き)”を気に入ってくださっています。
アテトーゼの強い脳性麻痺のかたは、体を伸ばした状態にすると緊張が出やすくなるので、積極的にリクライニングは導入しません。しかし今回のケースでは、緊張が出てしまってもその状態で牽引することで、とにかく気持ちよく体を伸ばすことが出来るとのことです。
また、骨盤に回旋の変形があります。
一般的なリクライニング機能では左右対称に倒れるので、骨盤に回旋がある場合は左右どちらかが無理に引っ張られてしまいます。
この点において、P-5では左右非対称の動きが可能なので個々の身体に合わせられます。
→“回旋”の機能で背もたれを骨盤の角度に合わせます。
その状態からリクライニングをすると身体に無理を生じることがなく自然にリラックス姿勢を作ることが出来ます。
背中のずれにも“伸縮(上下)”の機能で、ある程度は追従させることが出来ます。