電動車椅子にまつわる質問に答えます。
弊社は電動車椅子の専門店として、日々さまざまなご相談をいただいております。地域のお客様の生活に寄り添いながら、最適なアドバイスを心がけております。今回は、他の方の参考になりそうな事例をもとに、実際の質問・回答・解説の形でご紹介いたします。
※なお、個別の状況によって最適な対策は異なりますので、あくまで一般的な参考情報としてお読みください。
◇ 質問
「雪が降る予報の日に外出の予定があるのですが、電動車椅子用のタイヤはどのようなものが適していますか?」
◇ 回答
基本的には、電動車椅子での雪道走行はお控えいただくのが安全です。
どうしても外出が必要な場合は、リフトタクシーなど公共交通機関のご利用をおすすめします。
※この回答は、年間ほとんど雪が降らない弊社の営業エリアでの一般的なケースに基づいております。雪国にお住まいの場合は、地域の状況に合わせた対策が必要となります。
◇ 解説
業者の立場から申し上げると、安全面を第一に考え、基本的には雪道での走行は避けていただきと考えます。しかし、雪の状態もさまざまです。例えば、雪が降り始めた直後や、一度踏まれて氷状に固まった状態、大雪で積もった場合など、状況によっては走行が可能な場合もあります。
最終的な判断は、現場の状況やご自身の経験を十分に考慮していただければと思います。
【実際の雪試乗の様子】

この程度の雪であれば、特別な対策を施さなくても問題なく走行できることが確認されています。
弊社の営業エリアには八王子市も含まれており、多くのお客様が八王子市にお住まいです。盆地状の地形のため、八王子では多摩地域の中でも雪が多く積もることがあります。
ユーザー様からは、以下のようなご意見をいただいています。
・後輪が滑って、しっかりと停止できなくなる。
・滑って歩道からタイヤが外れたり、斜面では上昇が難しい。
・雪に嵌って動けなくなったり、雪が深くて進めなくなる。
特に寒い雪の日に車椅子が動かなくなる状況は非常に危険です。雪の状態、駆動方式(前輪駆動・中輪駆動・後輪駆動)、そして車椅子の重量によっては、たとえ誰かが押しても脱出できない可能性があります。
【雪道対策としてのタイヤ選び】
自動車やバイクが雪道を走る際には、一般的に以下の対策が取られます。
・スタッドレスタイヤの装着
・スパイクタイヤの装着
・タイヤチェーンの装着
それぞれの特徴と注意点は以下の通りです。
① スタッドレスタイヤの場合

電動車椅子用タイヤは、バイク用の黒いタイヤが多く、カーボンが混ざっているため、屋内外で使用すると床が黒く汚れる恐れがあります。
また、表面が溝状になっているため、小石などが挟まって室内を汚す可能性もあります。
② スパイクタイヤの場合

スパイクタイヤは、屋外専用の車椅子であれば効果的かもしれませんが、屋内の床や公共交通機関の床を傷つける危険があります。
また、電動車椅子用のサイズでは市販されている製品が少なく、専門業者による取り付けが必要です。
③ タイヤチェーンの場合

タイヤチェーンについては、私たち自身はまだ電動車いすに使用した経験がありませんが、一度試してみたいと考えています。もし情報をお持ちの方がいれば、ぜひお教えいただければと思います。
ただし、日常使用ではチェーンの着脱が面倒な上、機種によってはフレームとタイヤの間隔が狭く、チェーンが干渉する可能性もあります。
もし、雪の日が多い地域にお住まいで、日常的に雪の中で外出される場合は、上記の対策も検討してみる価値があるかもしれません。
【雪道におすすめの電動車椅子】
Magic Mobility(マジックモビリティ社)が製造する電動車椅子
マジック360 e Extreme X8 がオススメです。


詳しくは以下の記事をご覧ください。
『マジック360』『X8』は、タイヤの選択次第で雪道も問題なく走行できる、非常に走破性に優れた電動車椅子です。雪に負けない生活を目指す方は、ぜひこちらの車椅子の導入をご検討ください。弊社では販売も行っております。
~ こぼれ話 ~
雪が降ると、試乗車に乗って実際に走行テストを行い、さまざまな実験をしています。
例えば、電動車椅子を除雪車として活用してみた実験動画も撮影しています。
今後もさらなる改良を目指して実験を続けていく予定です。
【実験動画リンク】
・除雪実験 ダメージ中
https://www.instagram.com/p/Coef_GlA0VX/?locale=ja_JP
・除雪実験 ダメージ大
https://www.instagram.com/p/Coegriso-X1/?locale=ja_JP
また、スケートリンクの氷上を走行するテストも行っています。
前輪駆動・中輪駆動・後輪駆動やタイヤの種類によって走行性能が大きく変わるため、非常に興味深い結果が得られています。
【スケート実験動画】
YouTubeでご覧ください
雪上および氷上での実験はとても面白く、雪が降った際にはまた新たな挑戦をしてみたいと考えています。
もし本格的な雪対策をお考えの場合は、北海道で実績のある「イフ」さんにご相談されるのも一案です。公私ともに交流がある業者様です。
対応可能かが一目でわかるフローチャートもご用意されていますので、ぜひ参考にしてください。
対応フローチャート https://e-if.jp/support/consultation/