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2023.06.01

姿勢を自由に動かせる車いす Hineru ハイネル誕生

タグ:Hineru,P-5,ハイネル

姿勢を自由に動かせる車いす Hineru ハイネル誕生

2023年5月 姿勢を自由に動かせる P-5 ピーファイブ がさらに進化し、Hineru ハイネルになりました。
Hineruハイネルとは体幹を前後左右に自由に動かすことができる、オリジナルの車いすです。

Hineru ハイネルの名前の由来

からだを“ひねる”ことができるという特徴から
ローマ字表記で“Hineru”
これを“ハイネル”と読みます。
気持ちよく体を伸ばしてから「はい!寝る!」で覚えてください。
実際、試乗していただくと「気持ちよくて眠くなる」という感想をよくいただきます。

ハイネルの機能

電動で姿勢を変換する機能として、制度で認められているのは以下の2つです。

電動リクライニング 背もたれを倒す機能
電動ティルト 座角を変えず椅子ごと後ろへ倒す機能

しかし、左右にも自由に動けたらもっといいですよね。
傾けたり、ひねったり。背中を伸ばしたり。
こんな機能を搭載しているのがハイネルです。
回旋(ねじる)側屈(傾ける)上下(伸ばす/縮める)
この動きを組み合わせて、“自由に”動くことができます。

あなたに合わせてつくります

◇ハイネルは様々な機種に搭載できます

以下の車いすに搭載実績があります。
F3(ペルモビール)
M3(ペルモビール)※試乗車あります
TDX(インバケア)
BRIDGE(CTM)
PASEO(今仙技研)
これ以外の機種に搭載したい場合はご相談下さい。
※構造上搭載できない機種もあります。

◇あなたにあわせたスイッチ

豊富なスイッチ、操作方法のオプションがあります。
もしスイッチが使えなくても、見るだけで(視線入力)で姿勢を変える事が出来るHineru eye ハイネルアイもあります。

◇お気に入りの姿勢をメモリできます

3つまで、姿勢をメモリできます。例えば…
①乗車姿勢
②休息姿勢
③作業姿勢
メモリすることで、ボタンひとつで姿勢を再現できます。

ハイネルになって進化したところ

◇背中の揺れが軽減

P-5は自由に姿勢が動かせることろが特徴の車いすです。
それゆえに「振動が気になる…」という声があがっておりました。
こちらは揺れ止めのパーツを追加することで、前後の揺れを軽減致しました。

◇足台も電動に※ハイネルチェア(屋内用)

P-5という名前の通り動きの種類は5つでした。
①ティルト②リクラ③回旋④側屈⑤上下
ここに新たに⑥番目の機能“電動足台”を追加しました。
ハイネルになり、足も自分で動かせるようになりました。

Hineruハイネル の歴史

ハイネルの前身が誕生したのは今から20年も前です。
そこから作るたびに改良を重ね、大きな仕様変更の際は名前を変え、今に至ります。
無名の初号機 → P-Backピーバック → P-5ピーファイブ → Hineruハイネル
写真とともに振り返ってみます。

-2004年 P-Backピーバック 実験機

筋ジストロフィー症の方が、
どんなによい姿勢を作っても、体を支える部分が痛い。座り続けることができない。
という声を聞き、それならば必要な時に支えて、自分のタイミングで圧を逃がせば良いのでは?
と、実験機を作りました。
これは前職時代に作った最初の実験機です。今見るとメカメカしかったり、重心位置がおかしかったりします。

とりあえず作ってみたモデルになります。もう20年も前になります。
国際福祉機器展に出展した際は、セラピストや医療関係者の方たちに多く試乗していただけました。3日間を通して盛況でした。
その後数台の試作を行いました。
背もたれが動きますので、名前はP-BACK(PosturingーBacksupport)と命名しました。

-2007年 P-Backピーバック 初導入

はじめて、お客様に導入していただけました。
車いす工房輪として独立直後にP-Backを販売しました。
こちらは18年経過しますが、現在もなお現役でお客様の元で使って頂いています。

-2015年 P-5ピーファイブ誕生

3姿勢の位置をメモリできる機能を盛り込みました。
4つの電動機能を5つに増やしつつ、小さくコンパクトに設計しました。
電動ティルト、電動リクラ、電動背もたれ上下、電動側屈、電動回旋 機能がついたモデルです。
5つの姿勢変換(posture)機能から、P-5ピーファイブと名付けました。

P-5は3例の全額公費支給の決定を受けることができました。
生活や社会参加、就学就労のシーンで「真に必要」と認められました。

-2021年 多摩みらい賞受賞

第19回多摩ブルー・グリーン賞にエントリーし、多摩みらい賞を受賞しました。
応募総数261件のうち、受賞は14件でした。光栄です。

https://koborin.com/2021/12/07/12698/

公費で支給されない方でも、自費で購入していただくことも増えました。
毎回、都度改良を繰り返してきました。

ユーザー様の希望に合わせ、様々なサイズや仕様が増えました。

-2022年 P-5 eye 誕生(車いす工房輪×オリィ研究所 合同開発)

屋内専用での使用を想定したP-5 Chair ピーファイブチェアを改良しました。
オリイ研究所との合同開発により、視線入力で姿勢変換が出来るオプションが誕生しました。
ALSの方お二人に導入していただきました。

-2023年6月 Hineruハイネル 誕生

P-5に改良を重ね、ハイネルが誕生しました。
そして今に至ります。