電動車いすの選び方~機能~

こんにちは! 『車いす工房 輪』サポートライターのこばやしです。全3回で「電動車いすの選び方」についてお届けしてきたコラム。最終回の今回は、電動車いすの機能に焦点をあててみます。電動車いすには、ティルト・リクライニング、昇降機能やパワーレッグなど、走行以外にもさまざまな機能があります。それらの機能について、一部体験談も交えてお話します。

■私の電動車いすの場合 

これは、私が実際に載っている電動車いす、BRIDGE(※CTM社のブリッジ普通型に、電動で操作できるティルト&リクライニング機能などの改造を加えた多機能電動車いす)」です。写真は通常の状態ですが、ティルト・リクライニングの両方を、電動で自分で操作することができます。

●ティルトをした状態

ティルトとは、背もたれと座面の角度を変えずにうしろへ倒れる機能のことです。リクライニングと違い、座位がずれないのがポイント。私の場合は背中に側弯があるので、ふだんは背もたれにもたれかかって過ごすことは少ないですが、ティルト機能を使うことで体重が背もたれにかかり、体圧を分散できます。起き上がった後も座位はほぼずれません。

●リクライニングをした状態

背もたれのみを倒すのがリクライニングです。背もたれを倒すことで、体を伸ばすことができます。私の場合はリクライニングのみだと座位がずれてしまうので、一度ティルト機能で座面の角度を上げたあと、リクライニングを使います。こうすることで、座位がずれることなく体を楽な状態にできます。また、着替えのときや髪の毛をブローするときなどは背もたれが邪魔になってしまうことがあるので、リクライニングを使って少し後ろへ遠ざけたりしています。

■ティルト・リクライニングで体を楽に

電動車いすに乗っていつも同じ姿勢でいると、首、肩、お尻など、とにかくいろいろなところが痛くなったり、ひどく凝ってきたりします。

体にかかる圧が強いと褥瘡(じょくそう)ができるおそれもあります。ティルト・リクライニング機能がついた電動車いすなら、体を伸ばすことで圧を分散し、体の痛みも軽減されやすいです。電動車いすに長時間乗る人ならとくについていた方がいい機能でしょう。

私が今使っている電動車いすのポイントは、ティルト・リクライニング機能の両方を電動で操作できること。それまで乗っていた電動車いすは、ティルトは電動、リクライニングが手動だったので、リクライニングを使うには人の手が必要でした。面倒くさがりな私は、体がつらくてもそのたびに声をかけるのが少し億劫に感じることがありました。それが自分で操作できるようになると、リクライニングもこまめに使うようになったので、体のためにも良いと思っています。

●意外な利点 歯医者での診察

ティルト・リクライニング機能付きの電動車いすにして便利だと思ったのは、歯医者の椅子に移乗せずそのまま診てもらえたことです。座位が保てない状態だと、あの椅子に移乗するのは結構大変なのです。また、病院での心電図やエコー検査などの診察も、ティルト・リクライニング機能を使ってそのままできました。もちろん歯医者や病院によっても違うと思いますが、嬉しい発見でした。

■パワーレッグで体をさらにラクに

パワーレッグ(電動足台エレベーション)とは、足台を電動で上げられる機能のことです。ティルト・リクラだけでは膝は曲げたままですが、パワーレッグで膝を伸ばすことができます。ティルト・リクラと合わせて使うことで、ベッドに寝ているようなフラットな姿勢に近くなります。体の痛みや首、肩の凝りと同時に、よくある悩みが足のむくみだと思いますが、パワーレッグの機能は足のむくみ解消にも効果がありそうです。

■昇降機能で視線を高く

昇降機能で座面を上げると、見える景色が違います。私は日常的には使っていませんが、昇降機能付きの電動車いすを試乗させてもらったことがありました。自宅の中だけでさえ、新しい発見がありました。

外出先なら、お店のテーブルの高さに合わせて昇降したり、立たないと届かないところにある商品を手に取ったりすることができるでしょう。ふだんは見上げて話す相手とも同じ目線で話したら、気持ちの変化もありそうです。

求める機能に合った電動車いすを実際に使ってみると、新しい発見があります。できることが増えるとそれが自信になり、その先の「やってみよう」につながります。

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文/こばやし電動車いすユーザーで、SMA(脊髄性筋萎縮症)2型による四肢体幹機能障害介助を受けながら在宅ワークをしている

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