こんにちは! 『車いす工房 輪』サポートライターのこばやしです。
電動車いすでの公共交通機関の利用について、前回のコラムで取り上げたのは「電車編」。
今回は、「バス編」をお届けします。
■電動車いすのまま乗れる「ノンステップバス」とは
床面を超低床構造として乗降ステップをなくし、高齢者や児童にも乗り降りが容易なバス。車内段差を僅少にした設計により、乗降時、走行時とも安全性の高い車両です。また、補助スロープやニーリング装置(床面を更に下げる装置)により、車いすでの乗降もスムーズです。全ての人に使いやすい「人にやさしいバス」の代表として欧州各国では相当普及しており、わが国でも導入が進められています。
引用元:国土交通省 自動車総合安全情報
昔は、乗り降りするのに大きな段差を超える必要があったバスも、ノンステップバスの普及により電動車いすのままで乗車できるようになりました。
なお、都営バスは平成24年度末にすべての都営バスのノンステップバス化が実現しました。※
※東京交通局 バス関連情報より
地域によってまだ違いはあるものの、都市部を中心とした路線バスは、ノンステップバスに切り替わってきています。
■どうやって乗車する?
ノンステップバスでも、バスと乗り場との間にすき間ができるので、乗り込むときはバスに常設してあるスロープを設置します。
バス停で待っていれば大抵は気づいてもらえますが、バスが停まったら運転手さんに声をかけて乗車することを伝え、スロープを出してもらうとスムーズです。
車いすが乗車する位置には普段、座席がありますが、車いすの乗客がいるときは跳ね上げてたたみ、車いすを固定する場所として使われます。バスの揺れで車いすが動いてしまわないように、タイヤの下に輪止めを置いたり、ベルトで車いすを固定したりします。
■運賃の支払い
運賃の支払いは、地区や路線によって先払いと後払いに分かれます。
私が住んでいる多摩地区でよく利用するバスは、乗車区間により運賃が変わるため後払い方式。現金払いなら、乗車時に整理券機から整理券をとっておいて、下車するときに精算します。ICカードなら、電車と同じで乗車時と下車時に読み取り機にタッチすることで精算します。
※介助者の料金
電車と同様に、介助者同伴の場合、本人・介助者とも運賃は半額になります。
精算時に、介助者同伴であることを運転手さんに伝えましょう。障害者手帳の呈示を求められるので、携帯します。
■バスから降りるとき
バスから降りるときは、降車ボタンを押します。ただ、乗車するときに降りるバス停を運転手さんに伝えておけば、それで把握してくれることが多いです。
降りるときも後ろの扉から降ります。降りる前に運賃の支払いをしてスロープを出してもらいますが、降車時の支払いの手間を省くために、運転手さんによっては、乗車したときに降りるバス停までの運賃を先に精算させてくれることがあります。
私が初めて路線バスに乗ったのは20代半ばの頃でした。これを読んでいるかたは大丈夫だと思うのですが、バスの乗り方をよく分かっていなかった私は、「帰るときも来たときと同じバス停でバスを待つ」という失態をおかしました。いつまでたっても「〇〇行」のバスが来なくて焦った経験があります……。当たり前ですよね。来たときと反対方向へ帰るのですから、バス停も反対側にあるのです。知らないってこわいと思った出来事でした。
電車と違って、バスは窓の外を景色がゆっくり流れます。「こんな場所に、こんなお店があったんだ!」なんて発見があるのも、バスの車窓からだったりします。
新しく発見した場所を次の目的地にしてバスに乗ってみるのも楽しいですよ。
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