こんにちは! 『車いす工房 輪』サポートライターのこばやしです。
電動車いすは「歩行者と同じ扱い」という話を前回のコラムで書きました。
では、実際に電動車いすで外に出てみると、どんな感じなのでしょう。今回は、私が自宅から近所の本屋さんで買い物をするまでの道のりを一例にあげてみます。
電動車いすで外を歩くことを少しでもイメージしてもらえたら嬉しいです。
最初の難関、玄関
特別に広い玄関でない限り、玄関ドアに対して電動車いすの横幅は、ギリギリ通れるぐらいだと思います。
私が住むのは、3階建てのアパートの1階。玄関は狭く、さらに直角に曲がらないと出られないつくりなので、慣れるまでは部屋の出入りそのものに苦労しました。
電動車いすを選ぶときには、まずは自宅から出れるか(入れるか)の意味でも、自宅での試乗は重要ですね。
アパートを出たら車行き交う十字路
アパートの前は、人も車も自転車も(猫も)行き交う十字路。前後左右に気をつけなければいけませんが、一番怖いのは後方からくる車と自転車。電動車いすに乗っていると、後ろを振り返って確認することができません。
私の場合は基本的に自分の「耳」で確認します。後方からくる車や自転車の音に気づけるようにイヤホンはしませんが、もしするとしても、片方の耳は開けて置いたほうが安全かもしれません。介助者がいるときは、後ろから何も来ていないか見てもらってから方向転換しています。
本に夢中のお客さんたち こちらに気づかないことも……
お目当ての本があってもなくても、店内を歩いて面白そうな本を探すのは楽しいものです。電動車いすだと、自分のペースでそれができるのでよいですね。
同じように、本屋さんでは本に集中しているお客さんがほとんど。すれ違うときに、こちらの存在になかなか気づいてもらえないこともあります。軽く声をかけて通してもらうことが多いです。
帰宅したらタイヤをきれいに
帰宅したら、濡らした雑巾でタイヤをきれいに拭きます。世の中がこういう状況なので、最近はアルコール消毒も。
こんなときはどうする? ありがちな困りごと
夜間走行時
暗い道では道路がよく見えないので、どこに段差があるのかわからないこともあります。また、後ろからくる自転車や車が、電動車いすに気づかないこともあります。
とくに夜間に走行することが多いかたは、必要であれば電動車いすにライトを付けることもできます。
歩きスマホ
道路を歩いていると、歩きスマホをしている人をよくみかけます。さらにヘッドホンをしていると、いくら声をかけても気づかれません。
向かいから歩いてくる人がそういう状態だと、ぶつかりそうになりとても危険です。見つけたらできるだけ近づかないようにしています。
実際に外の道を歩いてみると、いろいろなところに注意を払わないといけないので、最初のうちは気疲れするかもしれません。でもそれも慣れてしまえば大丈夫です! 段差を乗り越えるときのコツみたいなものもつかめてきますよ。
まずは家の周りを散歩してみて、徐々に行動範囲を広げていくことをおすすめします。