10月21日土曜日
工房にて“もぞもぞシーティング研究会”の第二回を開催いたしました。
今回は10名の方(+介助者2名)が参加してくださいました。
ハイネルユーザー 1名
車椅子当事者 1名
OT 2名
PT 1名
車いす業者 2名
座位保持業者 3名
会の流れを振り返りながら、紹介させていただきます。
第三回も開催予定ですので、研究会の雰囲気を感じていただければと思います。
まずは
参加者の自己紹介を簡単にしました。
インタビューゲーム
コボリンの研究会では恒例になっている“インタビューゲーム”を行いました。
・はじめましての相手とペアを組んでいただきます。
・前半と後半でインタビューする人と答える人の役割を入れ替えます。
・時間は4分ずつ
・インタビューする人は悩まずに何でも聞いてOK
・答える人は、答えたくない質問には答えなくてもOK
・答える人は、何を答えてもOK
このルールで、普段だと「こんな事を聞いたら失礼かな…??」と悩んでしまうようなことも気楽にぶつけられます。
年齢差や相手の立場なんて関係ありません。
これを冒頭に行うと緊張感が一気に溶け、場の雰囲気が柔らかくなるので不思議です。
スライド発表 [ハイネルについて]
さて。浅見より、スライドを使用した発表です。
「姿勢を動かす事」
車いすの歴史をベースに、ハイネルの概念の説明です。
ハイネルは身体を動かす事を目的にしているので、現在の福祉制度には存在しないものなのです。
新しいものがこの世に出てきた時に、はじめは驚くけどすぐに生活に溶け込んでしまい、無かった頃の事を思い出せなくなるということがあります。
ハイネルについては、まだ世に浸透する前というところでしょうか。
ハイネルユーザーさんにインタビュー
コボリンのユーザーさんにインタビューです。
現在に至るまでの経歴は事前に伺っていたので、浅見から発表しました。
簡単な前知識を入れたうえで、参加者からのインタビューです。
質問)導入してからどのような変化がありましたか?
→ご本人「導入前は座骨に痛みがあったが、ハイネルに座ってこまめに姿勢を変えたり、大きく休息姿勢を取って圧を逃すようにして、軽減された。」
→ご家族「導入前は姿勢の調整で一日20回くらいは呼ばれていた。ハイネルで姿勢変換が出来るようになってからはそれが一桁に減った。結果的に家族、本人共にストレスが減った。呼ばれる方も、呼ぶ方もお互いにストレスを感じていた。」
身体の痛みが軽減されることに留まらず、心理的にも効果が発揮されているとの事。
この様なことは、実際に導入している方から教えていただくばかりです。
OT 岸本光夫さんによる発表
作業療法士 岸本 光夫さんに発表いただきました。
岸本先生は現在ソレイユ川崎で作業療法士として活躍されております。
座位保持装置が日本で作られ始めた頃からこの道に携わっており、パイオニア的な存在です。
海外の支援も積極的に行っております。
正解が用意されているわけではない、姿勢やシーティング。
独自の理論を元に座位保持椅子を生み出すこともされていました。
正しい姿勢とは何か?それはまっすぐに座る事なのか。
拘縮や変形が生じた体に対して、何が最適かを考える必要がある。
この様な障がいの方にはこの機能が必要。と、一辺倒に考えるのではなく、その方にとっての最適は何かを考える。というお話がとても印象に残りました。
これまでご自身でも様々な発明をされてきた岸本先生なので、ハイネルについても柔軟に受け入れてくださいました。
ハイネルの普及には現場のリハビリ職の方の協力が必要不可欠です。協同させていただきたいと思います。
参加者の試乗タイム
最後は参加者数名にハイネルに乗っていただきました。
障害の傾向による姿勢と、その気持ちについて。OTの先生ならではの講評も聞かせていただきました。
私たちは電動車いすを製作するというところからの目線ですが、生活を見るリハビリスタッフの方のお話は新鮮なことばかりで勉強になります。
もぞもぞできる何か
もぞもぞシーティング研究会では、“ハイネル”に限らず、もぞもぞ出来る方法を考える会です。
今回は頃合い良く“日建リース工業株式会社”さん開発の“ナノフィットクッション”のサンプルをお借りしておりました。
ベッドの上で使用するポジショニングクッションですが、滑りの良さと通気性に優れ、ベッドの上でもぞもぞ出来るという説明でした。
会の参加者で体験しました。
そしてこの会に参加してくださる車いす業者の方々は代表者ばかりでした。
土曜日の昼下がり。
東村山の小さな工房ですごい会が開催されております。
第二部交流会もあります。お時間が許す方はお気軽に。
ハイネルに興味をお持ちの方、是非一度ご参加ください。コボリンスタッフ栗田
動画の紹介
今回ご参加いただいたOT岸本さんに試乗いただいた際の動画です