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2025.04.28

アクチュエーター誤作動による事故についてのお知らせと今後の安全対策 ~ご利用中の皆さまへ、安心・安全のために~

タグ:事故,安全対策,誤作動

アクチュエーター誤作動による事故についてのお知らせと今後の安全対策 ~ご利用中の皆さまへ、安心・安全のために~

このたび、弊社が改造・販売した電動車椅子の電動アクチュエーター(電動でティルトする機構)に誤作動が発生し、お客様が全治6カ月(見込み)に及ぶ重傷を負う事故が発生いたしました。

まずは事故に遭われたお客様に対し、心よりお見舞いを申し上げるとともに、長期にわたり日常生活に大きな制限を強いる結果となってしまったことを、深くお詫び申し上げます。

■事故の経緯と原因
・2018年11月:弊社にて電動ティルト・リクライニング機能を追加し、納品 
・2023年12月:ティルトの誤作動が発生。スイッチの交換対応を実施(スイッチが故障原因と判断)
・2024年 9月:再び誤作動の報告あり。スイッチ延長棒の対策のみを実施
・2025年1月:洗面中にティルトを使用した際、スイッチから手を離しても動作が停止せず、足が洗面台に挟まり、骨折・靭帯損傷などを含む全治6カ月(見込み)の重傷を負う事故が発生

原因は、アクチュエーターを動かす基板の不具合であることが濃厚となっております。初期対応の誤った判断、及び再発防止策が不十分だったことが、今回の深刻な事故へとつながりました。

■ご利用中の皆さまへの影響と対応
事故につながった基板は、2020年3月までに弊社で使用していた一部の基板部品です。
それ以降に製造・改造された車椅子には該当部品は使用されておりませんので、ご安心いただければと思います。
当該部品を使用している可能性のある14名の方にはすでに個別にご連絡を差し上げております。該当するお客様には、順次無償にて部品交換を実施いたします。
なお、今回の基板は各メーカー純正の電動オプションでは使用されておらず、弊社による改造部分のみが該当となります。

■電動姿勢変換機構に関する注意点
電動アクチュエーター(ティルト、昇降、リクライニングなど)は、スイッチ・配線・基板など複数の電子部品で制御されています。
以下のような理由で誤作動を引き起こす可能性があります:

・スイッチの経年劣化、水濡れ、汚れによる接触不良 
・配線の摩耗や破損によるショート
・制御基板の劣化や電子部品の故障

外見からは分かりにくいのですが、使用を続けるうちに劣化が進行していきます。使用期間が長くなるほど誤作動等のリスクが高まりますので、日頃の点検や早期の異常発見がとても大切です。

■補装具制度と修理対応の現状と課題

現行の補装具費支給制度では、実際に故障している部品のみが修理の対象となり、「故障するかもしれない部品」の予防交換は公費で認められていません。
そのため、壊れていない部品については予防修理の申請ができないケースもあり、安全確保の観点から制度上の課題があると考えております。
今後は、団体や関係機関を通じて制度改善の必要性について行政への働きかけも進めてまいります。

■今後の対策と安全への取り組み

1. 情報の公開・共有
弊社の製作の過失による事故が起きた場合には、同様の事故が起きる可能性のあるユーザー様に対して直接連絡をとり注意喚起をすると共に、情報を公開致します。

2. 原因不明の修理判断の制限
社内でのダブルチェック体制を整備し、上長への報告・相談を徹底します。
また、推測や勘に基づいた修理を避け、根拠に基づいた対応を徹底します。

3. 2年以上メンテナンス履歴のないお客様への通知
弊社ではバッテリー、タイヤ交換などの際に、できる範囲で点検はさせて頂いております。
2年以上点検や修理の履歴がないお客様には、消耗部品の劣化による不具合リスクをお知らせし、消耗品の交換、点検をご案内いたします。
壊れていない部品の交換に関しては補装具制度では修理できない可能性があります
※どこまでが公費修理の対象となるかは市区町村との相談になります。

4. ご希望に応じた自費点検の実施
チェックリストに基づく「安全点検(10,000円~税抜)」を実施いたします。
※修理が必要な場合は補装具制度の活用を含めて柔軟に対応いたします。

5. ご契約前の丁寧なリスク説明
改造のメリットだけでなく、想定される故障リスクや制度制限も明文化のうえでご説明し、ご理解とご納得をいただいた上での対応を心がけます。

■お客様へ
このたびの事故は、弊社の判断ミスと対応不足によるものであり、深く反省しております。
今後同じようなことが起きないよう、再発防止のための体制整備と、関係する全てのユーザー様への誠意ある対応を心がけます。
また、この情報公開は、事故に遭われたお客様のご希望とご了解のもと、同様の事故の再発を防ぎ、他のご利用者様の安全に寄与することを目的としております。
ご不安な点や、点検をご希望の方は、お気軽に弊社までご相談ください。

株式会社コボリン
TEL:042-391-3328
mail:web@koborin.co.jp
担当:浅見 一志