こんにちは、浅見です。
新年度がスタートしましたね。
補装具に関わる方には毎年恒例(?)の、3月31日の“お知らせラッシュ”が今年もやってきました。
厚生労働省からの告示・通知・事務取扱要領などが一気に公開され、私たち現場の人間は4月1日からの対応に追われております。
見積書や申請内容も、新制度に合わせてバージョンアップしなければならないため、
業者の皆さんはデータベース更新にてんやわんや…という状態ではないでしょうか。
今回の改正で特に目立つ点
なかでも大きな変更点は、「完成用部品」の見直しです。
とくに、ヘッドサポート類、クッション類、テーブル類、ベルト類といった、姿勢保持に欠かせない部品が
完成用部品の一覧からごっそりと483件削除されました。
当社で主に使っている商品で比較集計したところ、今回の変更は以下の通りです。
(注:当社独自のカウントです。業務の中で使用する可能性がないのもはカウントしておりません。)
完成用部品の変動
(令和6年 → 令和7年)
件数合計:833件 → 350件(▲483件)
【完成用部品の変更内容】
価格変更:91件
名称変更:15件
削除:483件
新設:8件
「削除」=「使えない」ではありません
誤解されやすいところですが、「完成用部品から削除された=使えない」ではありません。
必要性が認められる場合には、特例補装具あるいは一部特例の扱いで申請・支給される可能性があります。
最終的な判断は、更生相談所や市町村の判断によります。
一部特例に関する通知の一節(抜粋)
別表に定める製作要素及び完成用部品によることができない構成要素が1つのみである場合は、特例補装具の定めにかかわらず、「一部特例」として、基準内の補装具として支給判定して差し支えない。
なお、姿勢保持装置、車椅子及び電動車椅子において市販のクッション(カタログに材質、構造及び価格が明記されているものに限り、平面形状型及びモールド型を除く。)を支給する場合及び重度障害者用意思伝達装置において市販のスイッチ(カタログに構造、機能及び価格が明記されているものに限る)を支給する場合、一部特例を判断する構成要素の数に含めることなく「一部特例」として算定すること。
具体例
たとえば――
車椅子の申請で「特殊空気室構造の市販クッション」と「肘あてのU字加工」の2点が必要な場合、
このうちクッションは構成要素にカウントされないため、「一部特例」として扱われ、基準内補装具での支給が可能です。
関連リンクまとめ
今回の改正内容について、厚労省の該当資料へのリンクをまとめておきます。詳細を確認されたい方はぜひご覧ください。
■掲載ページ
厚生労働省ホーム > 政策について > 分野別の政策一覧 > 福祉・介護 > 障害者福祉 > 福祉用具
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/yogu/index.html
■掲載資料
1 補装具費支給制度
(4)告示
補装具の種目、購入等に要する費用の額の算定等に関する基準
https://www.mhlw.go.jp/content/001469761.pdf
(5)通知
・補装具費支給事務取扱指針
https://www.mhlw.go.jp/content/001469775.pdf
・補装具費支給事務取扱要領
https://www.mhlw.go.jp/content/001469787.pdf
・障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく補装具の種目、購入等に要する費用の額の算定等に関する基準に係る完成用部品の指定について
https://www.mhlw.go.jp/content/001469789.pdf
3 身体障害者用物品の非課税扱いについて
(1)告示
消費税法施行令第十四条の四の規定に基づき内閣総理大臣及び厚生労働大臣が指定する身体障害者用物品及びその修理を定める件
https://www.mhlw.go.jp/content/001469869.pdf
(2)通知
・消費税法の一部を改正する法律(平成3年法律第73号)の施行に伴う身体障害者用物品の非課税扱いについて
https://www.mhlw.go.jp/content/001469871.pdf
おわりに
制度は、限られた財源の中で最大限の公平性・合理性を追求するものです。
その一方で、長年築かれてきたシーティングの技術やノウハウが、これからも活かされていくような制度設計がされることを願っています。
製作現場の知見が、より良い制度運用に少しでも役立つよう、私たちも日々努力してまいります。