電動車いすの選び方~使用目的~

こんにちは! 『車いす工房 輪』サポートライターのこばやしです。今回から3回にわたり、「電動車いすの選び方」についてお届けする予定です。第1回目は、電動車いすの使用目的から考えてみます。

■電動車いすは何のために使う? 

電動車いすユーザーにとって、「自分の力で自分の行きたい場所へ移動するために使う」という使用目的は共通していると思います。

しかし、電動車いすを生活の中にどう取り入れるかは、それぞれ違うはず。どこで使うか、何に使うかなど、生活スタイルから考えていくことはとても大切です。

電動車いすを使用してどこに行くかで変わる、使用頻度と移動距離
・使用頻度

電動車いすを使用するタイミングが、お散歩や買い物だけなら、使用頻度はそれほど高くないでしょう。逆に、学校生活や通勤、家の中でも使う場合は、使用頻度は高くなります。

・移動距離

車で移動した先でだけ電動車いすを使うのであれば、移動距離は短め。一方、駅まで歩き、そこから電車やバスを使うとなれば、移動距離は長くなります。同時に、駅までの道の段差や登坂角度などもクリアできるものを考えると、コンパクトさや、走破性も考えた電動車いす選びが必要になります。

このように、使用頻度や移動距離は電動車いす選びに影響するので、業者さんには生活スタイルを伝えて相談していきます。

■自分にとって何がいちばん大切か?

使用頻度や移動距離を考慮したうえで、電動車いすの候補がいくつか上がってくると思います。さらに、生活スタイルによってはティルト機能や電動リクライニングが必要な場合もあります。

必要な条件をすべて叶えることは難しいので、自分にとって必要なことをいくつか挙げて、何がいちばん大切かを絞っていくことが必要です。

■メリット・デメリットを考慮して優先順位を決める

例えば私の場合は、ベッドで眠る約7時間以外はいつも電動車いすを使用しています。1日のうち、起きているおよそ17時間はずっと電動車いすと一緒なので、自分のからだの一部のような感覚です。

使用頻度は「高」。移動距離も「高」。ほぼ丸一日ですからね。仕事でも、電車を使ったお出かけでも使っています。家の中でも使うので、コンパクトなものでなくてはいけません。

自分にとって大切な、「コンパクトで小回りが利くもの」と、体を休めるための「電動ティルト、リクライニング」を絶対条件にし、選んだのが現在使っているBRIDGE(※ティルトリクラ機能を搭載したモデル)です。昇降ができる電動車いす「Kite(カイト)※現在は販売していません」にも憧れましたが、全体的な大きさのことも考えて断念しました。

なお、使用頻度が高ければ高いほど故障リスクが高まったり、メンテナンスが必要だったりします。業者さんを選ぶときには、納車後にどの程度対応力があるのか検討しておくのも重要です。

私が電動車いすデビューをしたのは、20年ちょっと前、高校入学と同時でした。当時、選択肢として挙げられたのは、国内で使う電動車いすといえば「コレ」という2台。せっかくのJKデビューで使うのにはかわいそう過ぎる見た目で、どうしても受け入れられず、相談を重ねて、最初の選択肢にはなかったアメリカインバケアのPower 9000(※現在は販売していません)にしてもらったのです。コンパクトでシンプルでかっこよくて、自信を持って使うことができました。

何が言いたいかというと、使用目的はもちろんのこと、電動車いすを選ぶときには「見た目」だってとても大事ということです。使う本人の気持ちに影響しますからね。今はどんな電動車いすを選んでも、カッコイイからいいですね。

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文/こばやし電動車いすユーザーで、SMA(脊髄性筋萎縮症)2型による四肢体幹機能障害介助を受けながら在宅ワークをしている

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