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2022.10.19

タイヤ廃棄3 消しゴムのような削りカス問題(続編)

タグ:グレータイヤ,タイヤ,タイヤカス,リサイクル,廃棄、ブルーミング現象

タイヤ廃棄3  消しゴムのような削りカス問題(続編)

タイヤカス問題と、タイヤ種類のこと。
3回目の記事になります。

先日も専門の業者の方にタイヤ処分にきてもらいました。
みなさんの「足」としてのご活躍、お疲れ様でした。
タイヤ処分すると何故かブログを書きたくなります。

廃棄後の使い道や、黒タイヤについてのブログです。
2016年のブログですが、この時は圧倒的にグレーが多かったです。
現在はノンマーキング(床を黒く汚さない)黒タイヤが多く出回ってきましたので、黒比率が増えてきました。
(メーカーさんによっては、床を汚す黒タイヤを採用していますので、そこは要注意です。)

昨年の初頭に消しゴムの削りカスのようなタイヤカスが床に散らばり汚れるという問題が何件かあり、ブログに書きました。
するとエンジニアや、タイヤメーカーに知人を持つ方が問い合わせてくれたりと、情報提供を頂きました。

タイヤの素材はざっくり三種類

①カーボン入の黒タイヤ

強度あるが、黒く汚す。自転車、バイクなどでも採用している。

床を汚すデメリットよりも「走り」と「見た目」派の人が使っています。
 色々なパターンや、こだわりのブランドを選べますので楽しいです。

 電動車椅子用のタイヤはパターンに変化はなく、回転方向の指示もないですが、バイク用ですので回転方向の指示があります。

②色を配合していないグレータイヤ

強度弱い、床汚さない。多く標準的に使われています。

タイヤは減っていますが、側面が綺麗な状態のタイヤです。

⇩ ⇩ ⇩

紫外線にも弱く、特に外保管の方や屋外に出る機会が多い人は年数が経過するとひび割れて、拡大すると乾燥した砂漠のようになります。

③黒色を配合した黒タイヤ

グレーより強度ある。床を汚すものと、汚さないものが混在(選べる車種、サイズが限らています。)

欧米の電動車椅子のタイヤには、「NON MARKING」と記載され、「マーキングしませんよ」と書かれているものがあります。
NON MARKINGと印字があれば床は汚しません。

https://koborin.com/2022/02/22/12882/
 こちらのコラムで紹介している、インバケア、ペルモビール、サンライズメディカルジャパンの3メーカーの海外製電動車椅子の試乗車は全部黒タイヤです。
流行りなのかもしれません。

【参考】

元々グレーしかメーカー設定のない、らくらく多機能電動車いすブジッジTRを、黒タイヤに改造した事例。
足元を変えるだけで、イメージがぐっと変わります。

ここからは専門性を持った方複数の、2次情報の簡単なまとめですので参考程度にしてください。

削りカスの原因はどうやら、カラータイヤの製造工程の配合の問題のようです。

黒タイヤには劣化防止の薬剤が含まれていて、グレーにそのまま使うと黄ばんで使えないものもある。
自動車のタイヤに比べて品質を細かく求められず、数も少ない。
もし専用の配合をして、技術研究をして、品質管理をして、グレードの高いタイヤを作ったとすると、数が少ないのでコストが高くなる。
各工程でのシビアな品質管理が必要なようで、同じ製品でも製造ロットによるばらつきがあるのかもしれません。

また、ゴムから粉をふいたり液体がにじみ出る現象はブルーミング現象というらしいです。

粉吹き     ブルーム現象
液体が滲み出る ブリード現象

ゴムを練る時に添加する配合剤や、劣化具合にもよるようです。

タイヤとは関係ありませんが、耐用年数を経過した電動車いすから液体が垂れてきて、
どう考えても液体を使っていない部分なので何故だろうかと分解して調べてみたら、
個体だったはずのゴム部品が劣化して液状になって流れてきたということもありました。

まだ削りカス問題はまだ根本原因は分かっていませんが、最近は事例を聞きません。
グレータイヤはいくつかの条件が重なると、ボロボロと表面が削れてくるようです。
よいタイヤがあれば、積極的に採用をしていきたいと考えています。

浅見