【電動車椅子にまつわるFAQ】電動車いす利用を想定したホームエレベーターについて教えて下さい

電動車椅子にまつわる質問に答えます。

電動車いす専門店として仕事をしていると、車椅子にまつわる様々な相談が寄せられます。
地域で暮らすユーザーさんの車椅子を作ってきた経験からアドバイスをさせて頂くことがあります。

他の方の参考にもなりそうな事例は、話の内容を一部置き換えて質問と回答、解説を紹介します。

※個別のご事情があると思いますので、あくまでも一般論として参考程度にしていただければと思います。

◇質問

自宅を新築予定です。
子どもが将来電動車椅子を使うことになることを想定したホームエレベーターを設置したい考えています。
どのような大きさ、耐荷重を選んだら良いでしょうか?

◇回答

床面積は最低でも70㎝幅。少しでも大きいものを。
耐荷重は最大の200kg。
ホームエレベーターは床面積と耐荷重が決まっています。

◇解説 ~大きさの理由~

①物理的に入らない

電動車椅子の全幅は、60cm 62cm 64cmが多いです。
!!お使いになる方の身体寸法やアームサポート位置、ジョイスティック位置によってかわってくるので、カタログスペック通りにならない事も多いです。
※電動車椅子の幅には、これ以下もこれ以上もありますが、それらは特殊用途になりますのでここでは省きます。

幅60cmの大きさの小さいエレベーターもあるようですが、これでは入れません。

例えば65cmのエレベーターで62cmの車椅子を入れる場合は、片側の隙間が1.5cmですから、すごく繊細な操作が必要になりますし、タイヤから少しでも部品や腕がはみ出ると干渉してしまいます。
最低でも70cm以上は欲しいところです。

②エレベーターから出る時に前輪がぶつかる

駆動方法によっても変わりますが、例えば後輪駆動車の場合、前からエレベーターに入って、バックで出てくると思います。
その際、前輪タイヤがくるっと向きを変えます。
車椅子の内側を回るか外側を回るかは、その時のタイヤの状況によって変わってきます。
運転テクニックが上手い人はコントロールできますが、それでもどちらか一方は外にはみ出ますので、この瞬間車いすの全幅が大きくなります。
これは見落としがちな寸法の落とし穴です。

③姿勢の変化で全幅が変化する

ご利用になる方の成長、体の変形でタイヤの外々以上に車椅子の構造部分がはみ出る場合があります。
例えば肘が車椅子の肘掛けよりもはみ出すことはよく起きます。

④買い替えの時の機種の制限

ほとんどの方が加齢と共に障害が重くなります。
これは仕方のないことですが、障害が重くなっても同じ水準で生活をしようとすると、補装具の方を多機能化するしかありません。
今は想定できないと思います。
将来的にどのような車椅子が必要になったとしても、できるだけ対応できるように法律上の最大サイズにすることをおすすめします。

◇解説 ~耐荷重の理由~

法律上のホームエレベーターの積載荷重が200kg以下ですが、電動車いすで生活する事を考えると、300kgにして頂きたいものです。

家庭用のホームエレベーターの耐荷重はだいたい150kgか200kgです。
ほとんどが手動車いすを想定しているのでしょう。

例えば車いす工房 輪で扱う大型の多機能電動車椅子は、車重だけで180kgあるものもあります。
利用者の方の体重が50kgと仮定しても総重量は230kgとなりエレベーターは使えません。
ホームエレベーターが理由で、乗りたい電動車椅子を選べないというのはよくある話です。

~こぼれ話~

聞いた話ですが、アメリカのエレベーターのスタンダードは500kgと聞きました。
例えば電動車いす200kg+本人体重100kg+介助者60kgとかでも余裕ですね。
文化の違いか、体格の違いか分かりませんがそれならば大丈夫ですね。

アメリカは肥満が理由で、電動車椅子に乗る方も多いと聞きますので、そのくらいの耐荷重が必要なのかもしれません。

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