電動車いすの選び方~住環境~

こんにちは! 『車いす工房 輪』サポートライターのこばやしです。前回のコラムでは「電動車いすの選び方~使用目的~」をお届けしました。2回目の今回は、初めて電動車いすを使うかたや、電動車いすの機種を変えるかた向けに、住環境に焦点を当てて考えてみます。

まずは玄関

玄関ドアは、電動車いすで通るにはギリギリな幅なことも多いです。
図面上の開口幅だけでなく、実寸で考えることが大切。玄関のかたちによっても通りにくいことがあります。

私の家の玄関は、ドアを抜けたあとさらに直角に曲がって部屋に入るつくりなので、小回りが利く電動車いすでないと、自宅への出入り自体が困難です。
ストレッチャー型の車いすを使っている友人がうちに来るときは、毎回背もたれを一旦起こして、車いすの全長を短くしてから入室していました。


エレベーターを使う場合も同様で、エレベータードアに電動車いすがぶつからないか、エレベーター内で回転できるかは重要なポイントです。

■自宅内

・部屋間の移動

電動車いすを、家の中の限られた部屋でのみ使う場合は別として、リビングから寝室への移動など、部屋間の移動がスムーズできるかも重要です。

・洗面台やトイレ

普段使っている机の高さなどは、工夫次第で電動車いすの高さに合わせることができるでしょう。トイレや洗面台など、高さや場所を変えられないものについては、それまでと同じように使うことができるか見ておく必要かあります。たとえば、電動車いすに座面が昇降する機能を付けることで対応する方法もあります。

・床の素材

電動車いすのタイヤの摩擦で、畳はすぐ傷みます。私の家の和室には、フローリングシートを敷き詰めています。

犬をお迎えしてからは、犬が足を滑らせないようにフローリングに『貼ってはがせるカーペット』を敷いているのですが、これもタイヤの摩擦でわりとすぐ剥がれてしまいます。かといって大きなラグでは、タイヤの動きに合わせてよれてしまい、現在進行形で悩んでいます。犬の足に優しくて、タイヤの摩擦にも耐えられる商品があればいいのですが……。

■住宅改造で部屋の中を動きやすく

既存の部屋でそのまま電動車いすを使うのは難しい場合が多いと思うので、住宅の方をある程度改修します。改修工事では、洗面台や部屋の扉を使いやすいものに変えたり、室内の段差解消工事をしたりします。

賃貸の場合はまず大家さんの許可が必要ですが、一定の条件を満たせば、行政から住宅改修の補助を受けられるので、まずは自治体に確認してみることをおすすめします。

■リフトカーと電動車いすの重量、サイズ

住環境とは少しずれてしまいますが、日常的に車を使うかたなら、電動車いすの重量やサイズにも気をつけましょう。

一般的な福祉車両のスロープやリフトの耐荷重は、およそ200kgです。(※250kg、300kg対応のものもあります)重量がそれ以上になると、乗ることができません。電動車いすは、機種によって100kg台後半のものもあるので、利用者の体重と合わせて200kgを超える場合があります。重量がクリアできても、寸法次第では乗れないことも。

電動車いすを実際に自宅で使ってみないと、気付けないことはたくさんあるので、まずは同機種を自宅で試乗させてもらうことをおすすめします。合わせて、玄関から外へのアクセスはどうか、道路での操作性はどうかを確認し、場合によっては車に乗れるかも見ておくといいでしょう。

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文/こばやし

電動車いすユーザーで、SMA(脊髄性筋萎縮症)2型による四肢体幹機能障害。介助を受けながら在宅ワークをしている。

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